20100228
Possibility of Tokyo' geofront
「東京の地下都市の計画の可能性」byTOKIO LOGY(PDF)
「地下=アンダーグランド」でオルタナティブな匂いがする“場”として
捉えてしまう傾向がある者からすれば、興味をそそられるタイトルだったので一読。
以下、内容と感想を記載。
○80年代の東京のフロンティア
・ウォーターフロント(千葉、横浜を含む東京湾岸一帯)
>80年代から90年代にかけて、湾岸一体は大きく様変わり
・ジオフロント(東京都心における多くの地下)
>ほぼすべてが計画案で終わった
EX.
>10kmごとのグリッド・ステーションが地下でネットワーク化し東京全土を覆うもの
>ネットワーク上に地上と地下をつなぐ巨大構築物を配置し、その中央から自然光を採り入れ地下に交通施設を入れるもの
○北米・欧州の地下空間利用
・アメリカ/ミネソタ大学
地下空間利用に関する研究が盛んで、地下図書館や半地下学生寮などがある。
・カナダ/トロント・モントリオール
1950年代に地上の混雑解消を目的として地下歩行ネットワークが検討され、
冬期の寒さ対策、地上の景観保全、地下鉄へのアクセスの良さなどの
理由から拡大が進んだ。
・フィンランド/ヘルシンキ
岩盤を開発した地下空間が多く見られ、巨大な地下空間システムを構築。
2009年に地下のマスタープランを定めた。
・フランス/パリ
カタコンブと呼ばれる地下墓地や20世紀初頭 の地下鉄の導入など、
歴史的にも地下利用に関して積極的。
○地下居住の事例
ヨーロッパ、アジア、 イスラム圏など多様な地域で
人類は地下に居住していた歴史がある。
・トルコ/カッパドキア
凝灰石を掘られてできた巨大な地下都市
・スペイン/アンダルシア地方
クエバスと呼ばれる横穴住居
○地下空間のメリットとデメリット
・メリット
温度と湿度が一定、耐震性、都市景観の保全
・デメリット
コストが高い、採光・通風がとりにくい、工事がしにくい
壊したり新しいものにつくり替えにくい、方向感覚が失われやすい
閉所であることへの圧迫感
○地下は歴史と地層の織り込まれた空間
・「Google Map」「Google Earth」を提供しているgoogleでさえ地下はノータッチ。
・東京の地下と地上は必ずしも明確な境界線に切り分けられるものではなく、
いくつものラインによって縫い合わされているような入り組んだ関係を持っている。
※以下の内容は割愛
【感想】
日本の場合、地下を新たな居住スペース・商業スペース・移動スペースとして
機能させることは、果たして今後の社会にメリットをもたらすのだろうか。
そう考えると、地下都市としての可能性はあまり実りがない気がする。
なぜなら、 日本の社会は少子化が進行しているから。
逆に人口増加で地上に居住スペース・商業スペース・移動スペースの新規開拓が
難しいのであれば、地下都市の開発を検討する価値はあると思う。
むしろ、国家や特殊機関の機密事項を守るための自然要塞として
地下を利用するのはありかと。エヴァのネルフ的な発想で。
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