20100523

Bela Borsodi/Photographer


















単なる「商品」に「人格」を与えるオーストリアの写真家、Bela Borsodi(ベラ・ボルソディ)
彼の作品をピックアップしてみた。




















「FOOT FETISH」:ヒールとグラマラスな女性の裸体の融合














 「DIAMONDS」:ジュエリーとプライドが高そうな顔の融合




















 「WELCOME」:バッグと頭を抱えてしゃがむ女性の融合
















「NIGHT LIFE」:スワロフスキーと暴飲暴食する二人組の融合



その独特な表現から浮かび上がるのは、
消費による自己実現を要求される現代社会へのアイロニズム。

日本の文脈に照らし合わせると、
消費を通じた人々の「個性化」が強まる/ゆえに「没個性化」する80年代の空気を切り取った、
田中康夫「なんとなく、クリスタル」的な表現方法に通じるところがある。




六本木へ遊びに行く時には、クレージュのスカートかパンタロンに、ラネロッシのスポーツ・シャツといった組み合わせ。ディスコ・パーティーがあるのなら、やはりサン・ローランかディオールのワンピース。
なんとなく、クリスタル/田中康夫(1980)




ただ、80年代を通過して「ファストファッション化=倹約化」した
00年代以降の日本の視点で考えると、
こうしたアイロニカルだが単純な表現はあまり響かないと思う。
「分かってますよ、そんなこと」という梯子外しが待っているからだ。

だけれども、消費社会の象徴であるファッション分野の広告として創られた
ベラ・ボルソディの上記のような作品を眺めると、
単純さゆえの表現の力強さを感じてしまうのも確かだ。

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