20100110
Helter Skelter/Kyoko Okazaki
「ヘルタースケルター/岡崎京子」
・1995~1996年の間に雑誌で連載されていた作品。
・モチーフは人間誰しもが持つ「欲望」(あれもしたい,これもしたい。あれも欲しい,これも欲しい。)。
・主人公りりこの振る舞いから見られるのは、
1.欲望に従えば「破滅してしまう」と知りながら、実りの無い社会(人生)を実りあるものにする為に「あえて」欲望に従う姿勢。
2.消費し、消費され、お互い消耗していくだけの無駄な欲望でも、その中でしか人生は輝かない。だからこそその痛みを忘れないという「リグレット」を背負う覚悟。
・りりこはこうした「あえて」と「リグレット」を持ちながら「欲望」と対峙して、自滅に向かう。
その姿は本当に「人間」臭く。深みがある。
・一方で、作品に登場する女子高生達は「あえて」も「リグレット」も忘れて「欲望」のまま生きて、
タフで瞬発的に生きる。
その姿は本当に「動物」臭く、深みがない。
・両者を比較してみると、
「社会を人間臭く生きようとしたら、壊れるしかない。壊れないためには、動物臭くなるしかない。」
という、まさに「ヘルタースケルター」な条理が浮かび上がってくる。
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