「Rei Harakami」
彼の一曲一曲を構成しているのは、さまざまな方向に飛び交う音の粒子。
それが、喜怒哀楽だけでは括れないあらゆる感情のツボをつついてくる。
聴き続けていると、「安定しないことの気持ちよさ」みたいな感覚を覚え、
心地よい目眩をもたらしてくれるのだ。
何故、それが心地よいのだろうか?
それは、人間の感情の本質としっかりと寄り添っているからだ。
本来、感情とはどこにも落ち着くことの出来ない
絶えず動き続ける複雑なものである(あった)はず。
しかし昨今のサブカルチャーに目立つのは、「楽しさ」や「哀しさ」など
単純な感情を拡張することだけにフォーカスする作品ばかり。
そして我々はそれを享受し、単純に気持ちよくなってしまいがちだ。
まるで、お腹が空いたらご飯を食べるような単なる「動物的」な欲求の充足として。
そんなシーンの反対側に位置し、人間の<複雑な>感情そのものを
刺激してくれる。それがRei Harakamiの音楽だ。
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