20091216
DEATH NOTE/Tsugumi Ohba, Takeshi Obata
「デスノート/原作・大場つぐみ、作画・小畑健」(2003~2006)
週刊少年ジャンプで連載されていながら、
「友情・努力・勝利」の「ジャンプ」要素を一切感じさせずに、
映画・アニメ化されるほど圧倒的な支持を得た特異な漫画。
ノートに名前を書くだけで人が死ぬ設定は「ネットにカキコ」的匿名性を、
デスノートという絶対的武器を持つ主人公・夜神月が掲げる「正義」を
もう一人の主人公・Lの視点から見てみると「悪」になる設定は「アメリカ帝国主義」的二元性を、
それぞれ想起させる。
さらにデスノートを犯罪抑制の手段として利用する設定は
「監視カメラ」的セキュリティ強化を想起させる。
それによって人々が「安全さ」を得られる一方、
実は「誰かに見られているかも」という「不安」や「不自由さ」が増大し
「自分で自分の首を絞める」的逆説性もしっかりと描かれている。
細かくそして強引に見れば他にもこうした「同時代性」は感じ取られるが、
やはり一番は最後のオチにみられる、「歴史は繰り返す」的救いの無さだろう。
こればっかりは人間の「宿命」として受け入れざるを得ないのか・・・。
0 Comments:
コメントを投稿